Violin-Viola奏者の自分チューニング「左手編」報告

Violin-Viola奏者の自分チューニング左手編を、渋谷にて7月14日と15日の2回開催しました。この企画は、村井薫さんと村上敬子の2名のアレクサンダー教師による、演奏する自分を見直すための「 Violin-Viola奏者の自分チューニング 3回シリーズ(構え編、左手編、右手編)です。今回は第2回の左手編、テーマは全身で支える左手の動き でした。

ヴァイオリンの左手は細かい仕事をたくさんしていて練習すべき技術課題も多いため、部分の使い方に関心がいきがちです。アレクサンダー・テクニークでは全体の協調を一番に考えるので、左手の動きと全身の連動を見直すことで新たな視点が得られるといいなと思いながら企画しました。(写真の左手は村井薫さんです。)

最初にアレクサンダー・テクニークの導入として、頭と脊椎の関係が全身の動きにどのように影響を与えるかを実験しました。心理面についても取り上げ、楽しいことや苦手なことを想像しながら、腕の動きへの影響を観察しましたが、「ヴァイオリンの先生の前で演奏する」ことを想像する場面での皆さんの反応が大きく(笑)、盛り上がりました。

次に、今回のテーマである左手の話題です。
体の構造を知ることで動きやすくなるように、腕のボディマッピングをヴァイオリン演奏と関連づけてお話した後、体軸の支えを意識しながら左腕を上げる動きを行いました。

その後、実際に楽器を使いながら、構えること、左腕のサポート、左手の開き方、弦を押さえる力などについて考えました。

ワークショップの後半は、お一人ずつ課題や関心に沿った個別レッスンを行い、シェアし合う形式です。
座り方(オーケストラの皆さんの関心が高い話題です)、指が開きにくい、ポジション移動をスムーズにしたいなどの課題をみていきました。音が変化したことを皆さんと共有できる嬉しい瞬間が何度もありました。

 

感想の一部をご紹介します。

身体の構造の解説が興味深く、その関係性を演奏に生かせる点がよくわかりました。

腕の動きについて考えるときに、鎖骨や肩甲骨まで含めて考えたことがなかったので、そこまで関係しているのを知っておもしろかった。

全員の音が変わっていったのがおもしろかったです。
「小指は強い」は意外すぎるイメージ転換でした。苦手意識を変えていけるキッカケにしたいと思っています。

ポジション移動の時に右手を使うことの重要性がわかったのは発見でした。今後の練習に生かしたいと思います。

楽器の構え方、その前の心理面でのチューニングなど、新たな視点から取り組むヒントをたくさん教えて頂きありがとうございました。他の方がみるみる変わっていく様子もとても参考になりました。

気持ちで体の状態が変わるのが発見でした。日頃、なんとなく楽器を構えてしまっていましたが、自分チューニングを取り入れてみようと思います。ラクに弾ける姿勢を身につけられると嬉しいです。

頭の乗せ方、位置、重心のかけ方など、少し変えるだけで音が変わることを、自分の演奏でも、人の演奏でも感じました。骨のしくみや体の連動をイメージしながら、弾き方の研究をしていきたいです。

たくさんの体験を通して様々なヒントを持ち帰っていただけたようで、嬉しいです。ご参加ありがとうございました。

次回、秋はいよいよ手編、テーマは自分全体で生み出すボーイング です。お楽しみに!

 

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