Violin-Viola奏者の自分チューニング「構え編」報告
3月21日に渋谷にて、Violin-Viola奏者のためのアレクサンダー・テクニークのワークショップを開催しました。村井薫さんと村上敬子の2名の教師による共同イベントです。
このイベントは、「 Violin-Viola奏者の自分チューニング 」3回シリーズ(構え編、左手編、右手編)で演奏する自分を見直していく企画で、今回は第1回の構え編、テーマは「 楽器を支える全身のバランス 」でした。
前半は、構えの方法や、自分のチューニングを見直すグループワーク。
私の担当時間は、ボディマッピングを中心に、ヴァイオリンを構える自分の構造を再認識してもらいました。
ヴァイオリンの構えでまず問題になるのが、楽器の台となる「鎖骨」と、顎当てに乗せる「頭」。
アレクサンダーの基本である頭と脊椎の関係を見直すことから始め、頭・鎖骨・肩甲骨の動きに関するワークを行いました。
薫さんの担当時間には、空間認識を広げるワークを行いました。
今、自分はどこにどのように座っているのか、部屋の形はどうなっているか、部屋の隅を思い出したり、さらには外の空や大地にも想いを広げたり。
そうやって自分が今どこにいるのかの認識が深まると、在り方に変化が出てきます。
このようなワークを通して、普段とちょっと違う自分を体験しながら、楽器の替わりに棒を構えてみたり、慣れ親しんだ楽器を構えてみたりしました。
「構える」動作の刺激への自分の反応に対するちょっとした気づきが、普段の構えの見直しにつながります。
私も、棒を構えてそちらに顔を向けるときに、顎がピクッと顎当てに向かいたくなるような反応が起こりました。実際の楽器を構えるときにも、もっと繊細に顎当てと接する余地がありそうです。
後半は、お一人ずつ課題や関心に沿った個別レッスンを行い、シェアし合う形式です。
この日は、演奏時の立ち方や座り方を見直したり、楽器を持って人前に出てみる体験をしたり、具体的な曲の課題を探究してみたり、様々なことをやりました。
参加者の皆さんがいつも興味深いとおっしゃるのは、他人がどんなことに関心を持っているかを知り、音が変化していく様子を間近で見られる点です。
申し込みにあたって、人前で演奏することに躊躇される方もいらっしゃると思いますが、音を出さずに構えてみるだけでも問題ありませんし、デスクワークや家事など、日常の動きを題材に選んでも構いませんので、お気軽に参加してみて下さいね。
感想の一部をご紹介します。
こんなところを意識してやれば良いという部分を直接指導してもらえたので、気をつけながらやっていきたいと思う。
楽器の構え方以前に、立ち方などバランスを考えるだけで変わることがあることに気づくことができてよかった。自分では実感がなくても、考え方や意識を変えることで音が変わることがわかった。
他の参加者の個人レッスンを見学できたのが興味深かった。自分では思いつかない視点を持っていたり、音が変わったのを客観的に体験できたのがよかった。
イメージを具体的に掘り下げていく手法がとても分かりやすく収穫でした。
本番になると私も耳が閉じているのかなと気づきました。周りの音が聞こえなくなったり、合っていると思っていても遅れていることがよくあります。体のバランスと空間を意識して、本番に臨みたいと思いました。
参加者の皆さま、ありがとうございました。
次回は、夏に左手編、秋に右手編を予定していますので、お楽しみに!
左手編「全身で支える左手の動き」
右手編「自分全体で生み出すボーイング」
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