ピアノの先生の体験講座報告

ピアノの先生の会にて、7月にアレクサンダー・テクニーク体験講座を実施しました。受講して下さったのは、横浜市内のピアノの先生の会、ギロック研究会の皆さまです。当日は16名の方にご参加いただきました。

この研究会は、長年続いていて、生徒さんの指導のことから、ピアノスキルの向上、音楽のことなど、様々なことを勉強されているそうです。
今回の講座に関連して、どのようなことに興味があるのか、事前にアンケートを取らせていただきました。指導に役立つノウハウ的なものへの関心が高いのかと予想していたのですが、生徒さんの指導のことと同じぐらい、ご自身の向上への関心度も高く、当日を楽しみに迎えました。

ワークショップ前半では、アレクサンダー・テクニークの導入として、いつものように骨格模型のカルロス君を使いながら、「頭と脊椎の関係」を説明し、姿勢のバランスを見直しました。

後半は、実際にピアノを演奏しながら、各人の課題に沿ったアクティビティレッスンを行いました。
今回は人数が多いため、全員の方と時間内にレッスンできないかもしれないことを事前にご了承いただいていました。他の人のレッスンを見ることで皆が学べるようにということを心がけて進めましたが、結局約1時間半で16名全員の方と個人レッスンをすることができました。

後半の方は、時間が短くなってしまいましたが、それまでの仲間のレッスンを見ながら、自分のことのように学んで下さっているので、気づきや変化が早いと思いました。
全員がピアニストということと、普段から一緒に勉強されているということが、学びの効果を上げているようでした。

ピアニストの関心事は、やはり「手」と「腕」だと思います。難しいパッセージ、複雑な動き、それを続けるうちに手が固まってきて、腕に力が入ってきます。それと同時に胴体・背骨・首もガッチリと固まってきます。

私が主にお手伝いするのは、頭がふんわりバランスしていることを思い出して、全身の余分な緊張を手放すことです。それだけで、速いパッセージ、強い音、オクターブの分散和音、腕の交差、グリッサンドなどの課題に改善がみられました。

 

感想の一部をご紹介します。

体の使い方で音が変わるということを実感できました。ついつい体(特に首・肩)に力が入ってしまい、思うように演奏できないことが多いのですが、「頭ふんわり」を意識して弾いてみます。

脊椎と頭の関係を知って、正しく(ちょっと)認識するだけど、こんなに脱力できるとは驚きでした。姿勢や緊張という長年の課題にも光明が・・・。

「頭をふわっと」を感じると体の力が抜けたのが実感できました。また「指先から鍵盤へ」というのも試してみたいです。手の交差も生徒さんのためになりそうで嬉しいです。

「頭ふわふわ」を意識する大切さを知ることができて良かったです。今の自分から少しステップアップすることができそうです。来月の独奏に向けて「頭ふわふわ」を楽しみながら練習したいと思います。

人前に立ったら頭ふんわりを唱えるように。
他の方が変化していく姿が、(冷静に見れるので)とても勉強になりました。

立ち方のクセを指摘していただけて、とても良かったです。
頭の位置を意識したり、鍵盤に手を置くときに、腕からではなく「指から」を意識するだけで、こんなに楽に弾けるとは本当にびっくりしました。

首の後ろを楽にして、頭ふんわりを意識すると、本当に楽になりました。合唱やバレエのときも、いつも「ガンバッテ」やってしまう癖があるので、応用できるような気がしています。

頭がどこにのっているかは始めて知りました。頭と脊椎の関係が全てを変えるというのがすごいです!
力が入ってしまう演奏は、呼吸もできないし、指もまわらなくなり、いけないのはわかっていても、なかなかできません。また次回も参加したいと思います。

頭と首の関係を意識することがなかったので新鮮でした。「ふんわり感」をイメージするようにして、練習やレッスンしたいと思います。他の方へのアドバイスをみて、参考になることも多かったです。

今回は短い体験でしたが、自分の使い方の意識によって、体の支えや鍵盤への力が変わり、音が変化することがわかっていただけたと思います。この体験を、ご自身の演奏や、生徒さんの指導に活かしてほしいです。

また、アレクサンダーのレッスンを継続していくと、必要なときに必要な指示を自分に出せるようになり、演奏の質が変化していきます。ご自分のタイミングに合わせて、是非レッスン受講を検討して下さい。

楽しい会を企画していただき、ありがとうございました。

ギロック研究会の皆さま

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