眼のストレスを解放しよう!ベイツメソッド講座~報告
眼の使い方の教育法である「ベイツメソッド」のオンライン講座を、「眼のストレスを解放しよう」というタイトルで田中ちさこ講師とともに開催してきました。
講座を始めたのは2021年1月、コロナ禍でPCの使用が増え、もっと眼を楽に使いたいというお悩みが増えていた頃でした。2023年の2月までの間に3回シリーズを6クラス実施しました。
当初、眼に負担がかかりそうなオンラインで眼の講座をやるのはどうかとも思ったのですが、全国からお申込みいただき、ご自宅の落ち着いた環境で眼の探究に取り組むことができて、よかったと思います。皆さんが楽しみながら学んでいる様子が伝わってきました。
講座の内容は、基本的な眼の仕組み、ディスプレイを見るときの注意点、眼のリラックス方法、動きを捉えること、眼球の動き、まばたき、両眼の協調など、多岐にわたりました。
眼をリラックスさせる「パーミング」
今回の講座の中で、ベイツメソッドの入門として田中ちさこ講師が一番力を入れていたのが、パーミングです。これは、手のひら(palm)で眼を覆うことで光を遮断し、眼や脳をリラックスさせるメソッドです。
パーミングのやり方はきいたことがある方も多いかもしれませんが、形だけでなく、どういうマインドでやるかが重要です。
ベイツ博士は、眼が本当にリラックスしたときに「真っ黒」が見えることから「黒」を想像するようにと指導していました。ところが無理に「黒」を見ようとすることも緊張につながるため、楽しいことを思い出すという指導に変えたといわれています。
眼を休め、体も心もリラックスした状態でいるために、眼を覆っている間どんなことを考えるかを含めて、毎回練習しました。
パーミングについては、受講者のみなさんから、多くの感想をいただきましたのでご紹介します。
「一番印象に残ったのはパーミングで、過去の楽しかった情景を思い出すというのがとても新鮮でした。目をリラックスさせる講座だと思い受講しましたが、身体や脳をリラックスさせることの重要性を学んだ様に思います。これから少しずつ生活の中に取り入れていきたいと思います。」
「毎日パーミングをしていたら、上下差のあった左右の眉毛が、自然になってきました。」
「パーミングをして、とても楽になりました。見えにくいので、もっと頑張ってちゃんと見ようと真逆の方向に行っていました。パーミングで、前よりもclearにvividに見えるようになりました。子どものように興味津々で周りをみまわしています。頑張って見ないこと、楽しむことですね。」
「パーミングは簡単そうに見えますが、とても深い効果的なワークだと実感し、習えて感謝しています。」
2つの眼の協調ワークなど
他にも両眼視の実験や、まばたきの仕方、視線の向け方など、様々なワークを楽しみました。両眼視では、トイレットペーパーの芯をのぞいたり、鼻の前にカードを置いて遠くを見たりというワークを行いましたが、片眼がうまく使えていないことに気づいたり、少し練習したら見え方が変わったりして、毎回盛り上がりました。
2つの眼をどう使っているかは、日常的に意識する機会が少ないので、新しい気づきが多かったかと思います。
皆さんそれぞれの学びがありました。緊張が減って眼が楽になった方が多かったようです。ご感想を紹介します。
「2つの芯で覗いた景色が一つになっていくことに興味を覚えました。終わった後のスッキリ感と見え方にクリアーさが増したのが驚きでした。」
「ノーズカードのエクササイズで片側の色しか見えなかったとき、私の左眼の使い方がなんかやらかしていることに驚きました。脳が眼からの情報を受け取るとき、両眼視できていないと、上手くきちんと正確な情報として処理してくれないということにびっくりしました。」
「中心視を学んだあと、針にスッと糸が通ったこと、老眼鏡を使わずビーズ編みができたのでびっくりしました。眼の仕組みを知り、両眼をバランスよく使えるようになること、イメージするだけでも緊張が取れること、姿勢と呼吸と眼の関係など沢山学べました。」
「眼に力を入れて見に行く癖があるのですが、それが緩和され、見に行かなくても対象物が視界に入ってくるというのが、だいぶできるようになりました。」
「いかに眼が「見に行こう」「取りに行こう」と緊張しているか、先遣隊として頑張っているか、よく分かりました。自分の眼の癖や個性についてもたくさん気づくことができ、とても興味深かったです。」
「眼球をグッと固めてしまっている(緊張させている)ことに気付けるようになったので、目を休めることも以前より大切だと実感できました。」
私も皆さんと一緒に多くのことを学びました。私自身の変化は、まぶたが以前より開きやすくなったのと、視線を鼻の先に向ける意識で、正面の捉え方が変わったと感じています。私は昔から横目で見るクセがあり、正面を見るのが苦手なのです。眼のクセは長年のものなので、欲張らずに少しずつ改善していきたいと思っています。
眼の繊細な緊張に気づくのは難しいと思うこともありますが、アレクサンダー・テクニークで日常的に心身の観察をしていることにより、眼の使い方にも気づきやすくなりました。また、眼が悪いと思うと、そこに意識が集中してしまいがちですが、アレクサンダー・テクニークで学んでいる体の全体性を考えることが役立ちます。
多くの方のご参加ありがとうございました。これからも楽しみながら練習を続けていきましょう!
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