【ご感想】楽器を鳴らす方法の探し方を学んだ(ヴァイオリン)
【個人レッスン10回コースを受講された、ヴァイオリン講師の方のご感想です。】
アレクサンダーテクニークを習ってよかったと複数の友人から聞いていましたが、どのようなものかは正直よくわかりませんでした。ホームページで確認し、自分自身が解決したい問題を考えておくとよいことはわかり、色々と思い浮かべながら第一回の受講となりました。
毎回のレッスンは、カウンセリングの時間で始まりました。レッスンはじめにいつも興奮している私を、けいこさんはじっと観察し、時には背中や足に触れて自然な姿勢に導いてくださいました。そして徐々に、けいこさんが何もおっしゃらなくても、私自身が自分の力みや呼吸の浅さに気づくことも出てきました。最初に話したことの中から問題点を見つけて取り出し、レッスンで取り上げるスタイルとなりました。
今まで、気持ちの問題だと思っていたことを、身体がどうなっているかという視点で改めて考える際に、骨についても勉強しました。うなずく時の関節はどこにあるのか、頭はどのように背骨に乗っているのか、腕の骨はどのようについているのか、足の関節はどうなっているのか…話が筋肉に及ぶこともありました。自分が漠然と思っていた付き方と違う、そう気づくだけでも身体の使い方が自然に、効率的になるのを感じました。
どんな問題に対しても、最初に頭が自由であることを思い出すことを習いました。頭が自由で背骨にどのように乗っているか、それを意識するだけで身体の負担が減り、無意識に固めていた部分を解放する手助けになります。歩く、物を持つ、運ぶなどの日常の動作で一つ一つ実践することで、応用の場が広くあることがわかってきました。身体が自然に使えている感じがつかめてきました。
外界からの刺激を遮断する必要はなく、受け入れた上で何かに集中することも学びました。それまでの私は、集中するために度々目をつぶっていました。そのことに気づかされ、一度に様々な出来事が起こっている中でも何かを考えることは可能だと知りました。
私は仕事でヴァイオリンを弾き、指導しています。ヴァイオリンの演奏では日常にしない姿勢や動きを多用するため、不自然な状態や力みに陥りがちです。もっと自然に楽器が鳴り響くはず、その方法はないかと日々悩んでいた私に、けいこさんは姿勢から全ての要素を分解して一つ一つ実行し、気づいては試行してみる方法を教えてくださいました。試す中で音が変わっていくことが実感でき、何よりも教えていただいたのが「探し方」なので、今後試行錯誤で常に探していこうと考えることができました。
今まで気の持ちようだと思ってきたストレスや緊張への対処で、身体に注目することで新たな解決方法、軽減方法があることも学びました。精神衛生上とてもありがたかったです。
以上のように、心や身体の諸問題に対し、問題を細分化し、身体に関する客観的知識を裏打ちとして対処する方法を学ぶことができました。文化的によいとされていることが身体にとって自然とは限らないというのも興味深い発見でした。教えていただいた視点や方法を今後の生活や仕事に活かしていきたいと思っています。
(M. N. さん、40代女性、ヴァイオリン講師)